小説「水曜の朝、午前三時」蓮見圭一/著 読了しました。
BOOK・OFFで平積みになっている本の中から2、3冊選んで読み、読み終わったらまた買いに行くというパターンが定着しています。学生の頃は、古典文学や、長いサスペンスなどが好きでしたが、最近は集中力がイマイチなのか、薄めの小説を選びがち。
特に中村航さんの恋愛小説なんて癒されていいね。って思っています。
ただ、映画化ドラマ化エンターテイメント!!っていう本ばかりも何だか物足りない。という複雑な気持ちを見事満たしてくれたのが、今回読んだ小説。
「水曜の朝、午前三時」蓮見圭一/著
2001年にベストセラーになったとか。
初めの10ページくらいで、「あ、これは面白い小説だ。」と思いました。
45歳という若さで亡くなる女性が、娘に若き頃の恋物語を告白する話。主人公がとても知的明瞭で、冒険心が強い。何かしたいけど、うまくやり切れない。大阪万博という華やかだけれど、まだまだ不安定な日本だった時代に、葛藤を抱えながらも、気高く、力強く生きていく姿がとってもカッコいいです。
ツンとしていて、音楽や文学、哲学等にも精通していて、おしゃれ。頑固だけれど、自分の考えをしっかりもっていて、行動力もある。
無敵の彼女に見えますが、大きな壁にたちはだっかった時、すごく人間らしい結末を迎えます。
とてもメッセージ性の強い文が、数多く出てきます。
物語としても楽しめますが、生きずらいな、と悩んだときに勇気づけてくれるような小説かもしれません。